真夏の妄想
こんにちは、たき子です。
昨日の『熱中症のお爺さん』の記事を書いた後、妄想に耽ってしまいました。
【『熱中症?通りすがりのお爺さん』の記事はこちら】
どんな妄想か?
くだらない、たわいもない妄想ですが、しばしお付き合いいただければ幸いです♪
妄想タイトル『わらしべ長者?いや、むしろ足長おじいさん』
お爺さんと再会
夕方と言っても、容赦ない西日が照りつける国道沿い。
救いは太陽が背中にあること。
急いで部屋に戻ったところで、西向きのリビングにある温度計は、昨日も37℃を指していたのだけれど。
それでも、一刻も早く逃げ込んでシャワーを浴びて一息つきたい。
その思いだけで家路へと急ぐ中、呼び止められて振り返ると、そこには見覚えのあるお爺さんが立っていた。
「もし、あんたはん、昨日のお人じゃろ?」
昨日、この同じ場所で具合が悪そうにしていたので声をかけたお爺さんだった。
「え? ああ、昨日の…。大丈夫でしたか」
「あんたはんがお巡りさんに連絡してくれたおかげで、大事なかったわ。おおきにな」
「そうなんですか、良かった。毎日暑いですもんね。じゃあ、お気をつけて」
早々に立ち去ろうとすると、
「ちょっと待っとくれ。あんたはん、少しだけ時間あるかのう?」
曖昧な笑顔を浮かべる私に、お爺さんはついてくるようにと手招きして、歩き出した。
家に案内されて
「すぐそこじゃから」
「はあ」
お爺さんの言う通り、国道を渡り、2つ目の角を曲がったすぐの所に目的の家はあった。
お爺さんが門にあるインターホンを押すと、「はいはい」と年配の女性の声がして、カチッと鍵が開いた。
門をくぐり、こじんまりした庭の間の石畳を数メートル歩くと、平屋の日本家屋から中から出てきたのは80歳半ばとおぼしき白髪の女性。
「ああ、会えたのね、良かった」
と、お爺さんのほうを向いて笑ったあと、
「暑いのに、わざわざごめんなさいね。昨日は本当に助かりました。暑いからやめときなさいっていったのに主人が出かけるもんやから」
「いいえ、私はたいした事してませんから」
「これ、食べてくださいな。お礼というほどの物でもないんだけど」
そう言うと、お婆さんはマチの広い紙袋を差し出した。
中には、大きな桃が6個、柔らかな布が敷かれた木箱に並べられていた。
「桃はお好き?」
「はい!大好きです。でもこんな立派な桃…」
「気にせんといて。ほんの気持ちやから」
恐縮しながらも、お爺さんとお婆さんに頭を下げ、桃が入った紙袋を手に帰宅した。
桃の下には
生協の車が来る時間ぎりぎりになってしまったので、玄関先に鞄と紙袋を置き、そのまま大急ぎで生協に注文品を受け取りに行った。
受け取った品物を冷蔵庫へしまうと、汗だくの体をやっとシャワーで流して一息ついたところで、桃の入った紙袋に手を伸ばした。
「美味しそうな桃」
食後に食べる2個を冷蔵庫へ入れておこうと、紙袋から木箱を取り出すと、木箱の下に白い封筒が。
お礼状にしては厚みがある。
封はされておらず、中を見て息をのんだ。
入っていたのは100万円はあろうかという札束だった。
「何!これ!?」
部屋着のアッパッパを脱ぎ捨て、手近なシャツとパンツを大急ぎで身につけ、封筒を掴んでトートバッグに放り込み自転車にまたがって爆走した。
あれはお礼?
にしても、金額が大きすぎる!
もしかして何かの間違いかもしれない
さっき訪れたばかりの日本家屋に着くと、自転車を停め、急いでインターホンを押した。
胸がドキドキするのは自転車を急いでこいだせいだけではない。
「はい」
さっきのお婆さんの声だ。
「あの、さっきの桃をいただいた者です」
「今開けますね」
来訪を予想していたかのような落ち着いた声が返ってきて戸が開き、先程の洋装から和服に着替えたお婆さんが微笑んで立っていた。
桃の替わりに
「いらっしゃい」
「あの、これお返しにきました。何かの間違いで入ってたみたいで」
トートバッグから札束の入った封筒を差し出すと、お婆さんはそれを受け取らず、
「まあ、どうぞお入り下さいな」
と、中へ入るよう促した。
「あ、でも夕飯の支度もあるんで、ここで失礼します」
と、固辞したが、封筒を受け取ってもらえないので、5分だけ、と心に決めてつっかけを脱いだ。
エアコンで冷んやりとした和室に通されると、すでにお爺さんが、やはり和服姿で座っていた。
麦茶を運んできたお婆さんもお爺さんの隣に座り、私は二人と向かい合った。
「これ、お返しします。何かの間違いだと思いましたので」
と、机に封筒を置いた。
お爺さんは、封筒を一瞥すると、
「いくらあるか数えましたかのう」
と微笑むので、そういえば焦って数えてなかったなと思いながら、
「いいえ」
と答えた。
お爺さんは、
「これはお礼じゃ。あんたはんに、あげたもんです。間違いやない」
と、途切れ途切れに話した。
「ありがとうございます。でも、こんなお金を浮けとるほどの事は本当にしてません。私はただ声をかけて、警察に任せただけです。桃だけでじゅうぶんお釣りがきます」
そう答えると、二人は顔を見合わせ、お爺さんは封筒を手元に引き寄せた。
そして、封筒を袂に入れ、替わりに折りたたまれた奉書を机に置いた。
「中を見てもらえるかのう」
奉書には、
“金四億七千万円を貴殿に譲渡する 山瀬茂治”
と書かれてあった。
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休憩です
……はあ。
ここら辺で一息つきましょう。
一応、ここがクライマックスです。
というか、これ以上長くなるのも何なので、後は要約させていただきます。
ごめんなさい。
もうすでに、じゅうぶん長い(汗)。
続きを要約
え~っと、このあと、お爺さんとお婆さんは、困惑するたき子に事情を説明します。
自分たちには身寄りがなく、遺産をどうしようかか悩んでいた。
もし、たき子が封筒(100万円)を返しに来たら遺産を譲ろうと、二人で相談して決めた。
自分たちは近々この家も土地も田舎の山も全て処分して和歌山のホームに移ることにしている。
財産からその費用の1億を差し引いて残った金額が4億7000万円ある。
寄付するにも、どこがいいか決められないし、変な団体は信用できない。
人助けだと思って受け取ってほしい。
使い途は、自分で使うのも、寄付するのも自由だ。
どうか年寄りの頼みを聞いてほしい。
…というような事を言われ、財産が怪しいものじゃないか、相続トラブルに巻き込まれないか、など気になるだろうからと、弁護士の名刺を渡されます。
二人に頭を下げられ、その場で断ることもできず、翌日、弁護士事務所を訪れ、受けとるべきか悩むたき子…。
ありがた迷惑だったかも
以上で妄想は終了です。
なぜなら家に帰りついてしまったので。
クソ暑い中、ウォーキングがてらの通勤が苦しすぎて、そんなことを妄想し気をまぎらわせていた私。
悪ノリにもほどがある?
けど、所詮はたわいもない妄想、妄想。
頭の中では何を妄想してもオッケー♪
誰にも迷惑かけないしね。
しかし、昨日ブログで「あれは、なんちゃって親切だった」とか、さんざん書いたくせに、お礼をもらって、億万長者になる妄想をするあたり、我ながら俗物感半端ない(笑)。
しかも、あのお爺さんが本当に具合が悪かったのかなんて、本当の所はわからないのに。
もしかすると、ありがた迷惑だったって可能性だってあるわけで。
ひょっとすると、お爺さんは実は大泥棒で、私が警官に声をかけたせいで捕まってしまった…なんてこともあるかもしれないのに(さすがにそれは無いか)。
しかも、お爺さんの方言はどこのもの?
適当に雰囲気でどっかの方言っぽく喋らせてるだけやし。
暑さのせいです♪
そんな妄想を手短に息子に話したら、
「幸せな人生やな」
と一言。
すっかりあきれられました(笑)。
これも全て暑さのせい。
真夏の妄想は、したもん勝ちです♪
本日の日めくりカレンダーです。
7月19日(木)
『今日は人の上、明日は我が身の上』
今日は人におきていた災難も、いつ自分の上に降りかかってくるかもしれないということ。
昨日の『熱中症のお爺さん』の記事を書いた後、妄想に耽ってしまいました。
【『熱中症?通りすがりのお爺さん』の記事はこちら】
どんな妄想か?
くだらない、たわいもない妄想ですが、しばしお付き合いいただければ幸いです♪
妄想タイトル『わらしべ長者?いや、むしろ足長おじいさん』
お爺さんと再会
夕方と言っても、容赦ない西日が照りつける国道沿い。
救いは太陽が背中にあること。
急いで部屋に戻ったところで、西向きのリビングにある温度計は、昨日も37℃を指していたのだけれど。
それでも、一刻も早く逃げ込んでシャワーを浴びて一息つきたい。
その思いだけで家路へと急ぐ中、呼び止められて振り返ると、そこには見覚えのあるお爺さんが立っていた。
「もし、あんたはん、昨日のお人じゃろ?」
昨日、この同じ場所で具合が悪そうにしていたので声をかけたお爺さんだった。
「え? ああ、昨日の…。大丈夫でしたか」
「あんたはんがお巡りさんに連絡してくれたおかげで、大事なかったわ。おおきにな」
「そうなんですか、良かった。毎日暑いですもんね。じゃあ、お気をつけて」
早々に立ち去ろうとすると、
「ちょっと待っとくれ。あんたはん、少しだけ時間あるかのう?」
曖昧な笑顔を浮かべる私に、お爺さんはついてくるようにと手招きして、歩き出した。
家に案内されて
「すぐそこじゃから」
「はあ」
お爺さんの言う通り、国道を渡り、2つ目の角を曲がったすぐの所に目的の家はあった。
お爺さんが門にあるインターホンを押すと、「はいはい」と年配の女性の声がして、カチッと鍵が開いた。
門をくぐり、こじんまりした庭の間の石畳を数メートル歩くと、平屋の日本家屋から中から出てきたのは80歳半ばとおぼしき白髪の女性。
「ああ、会えたのね、良かった」
と、お爺さんのほうを向いて笑ったあと、
「暑いのに、わざわざごめんなさいね。昨日は本当に助かりました。暑いからやめときなさいっていったのに主人が出かけるもんやから」
「いいえ、私はたいした事してませんから」
「これ、食べてくださいな。お礼というほどの物でもないんだけど」
そう言うと、お婆さんはマチの広い紙袋を差し出した。
中には、大きな桃が6個、柔らかな布が敷かれた木箱に並べられていた。
「桃はお好き?」
「はい!大好きです。でもこんな立派な桃…」
「気にせんといて。ほんの気持ちやから」
恐縮しながらも、お爺さんとお婆さんに頭を下げ、桃が入った紙袋を手に帰宅した。
桃の下には
生協の車が来る時間ぎりぎりになってしまったので、玄関先に鞄と紙袋を置き、そのまま大急ぎで生協に注文品を受け取りに行った。
受け取った品物を冷蔵庫へしまうと、汗だくの体をやっとシャワーで流して一息ついたところで、桃の入った紙袋に手を伸ばした。
「美味しそうな桃」
食後に食べる2個を冷蔵庫へ入れておこうと、紙袋から木箱を取り出すと、木箱の下に白い封筒が。
お礼状にしては厚みがある。
封はされておらず、中を見て息をのんだ。
入っていたのは100万円はあろうかという札束だった。

「何!これ!?」
部屋着のアッパッパを脱ぎ捨て、手近なシャツとパンツを大急ぎで身につけ、封筒を掴んでトートバッグに放り込み自転車にまたがって爆走した。
あれはお礼?
にしても、金額が大きすぎる!
もしかして何かの間違いかもしれない
さっき訪れたばかりの日本家屋に着くと、自転車を停め、急いでインターホンを押した。
胸がドキドキするのは自転車を急いでこいだせいだけではない。
「はい」
さっきのお婆さんの声だ。
「あの、さっきの桃をいただいた者です」
「今開けますね」
来訪を予想していたかのような落ち着いた声が返ってきて戸が開き、先程の洋装から和服に着替えたお婆さんが微笑んで立っていた。
桃の替わりに
「いらっしゃい」
「あの、これお返しにきました。何かの間違いで入ってたみたいで」
トートバッグから札束の入った封筒を差し出すと、お婆さんはそれを受け取らず、
「まあ、どうぞお入り下さいな」
と、中へ入るよう促した。
「あ、でも夕飯の支度もあるんで、ここで失礼します」
と、固辞したが、封筒を受け取ってもらえないので、5分だけ、と心に決めてつっかけを脱いだ。
エアコンで冷んやりとした和室に通されると、すでにお爺さんが、やはり和服姿で座っていた。
麦茶を運んできたお婆さんもお爺さんの隣に座り、私は二人と向かい合った。

「これ、お返しします。何かの間違いだと思いましたので」
と、机に封筒を置いた。
お爺さんは、封筒を一瞥すると、
「いくらあるか数えましたかのう」
と微笑むので、そういえば焦って数えてなかったなと思いながら、
「いいえ」
と答えた。
お爺さんは、
「これはお礼じゃ。あんたはんに、あげたもんです。間違いやない」
と、途切れ途切れに話した。
「ありがとうございます。でも、こんなお金を浮けとるほどの事は本当にしてません。私はただ声をかけて、警察に任せただけです。桃だけでじゅうぶんお釣りがきます」
そう答えると、二人は顔を見合わせ、お爺さんは封筒を手元に引き寄せた。
そして、封筒を袂に入れ、替わりに折りたたまれた奉書を机に置いた。
「中を見てもらえるかのう」
奉書には、
“金四億七千万円を貴殿に譲渡する 山瀬茂治”
と書かれてあった。
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休憩です
……はあ。
ここら辺で一息つきましょう。
一応、ここがクライマックスです。
というか、これ以上長くなるのも何なので、後は要約させていただきます。
ごめんなさい。
もうすでに、じゅうぶん長い(汗)。
続きを要約
え~っと、このあと、お爺さんとお婆さんは、困惑するたき子に事情を説明します。
自分たちには身寄りがなく、遺産をどうしようかか悩んでいた。
もし、たき子が封筒(100万円)を返しに来たら遺産を譲ろうと、二人で相談して決めた。
自分たちは近々この家も土地も田舎の山も全て処分して和歌山のホームに移ることにしている。
財産からその費用の1億を差し引いて残った金額が4億7000万円ある。
寄付するにも、どこがいいか決められないし、変な団体は信用できない。
人助けだと思って受け取ってほしい。
使い途は、自分で使うのも、寄付するのも自由だ。
どうか年寄りの頼みを聞いてほしい。
…というような事を言われ、財産が怪しいものじゃないか、相続トラブルに巻き込まれないか、など気になるだろうからと、弁護士の名刺を渡されます。
二人に頭を下げられ、その場で断ることもできず、翌日、弁護士事務所を訪れ、受けとるべきか悩むたき子…。
ありがた迷惑だったかも
以上で妄想は終了です。
なぜなら家に帰りついてしまったので。
クソ暑い中、ウォーキングがてらの通勤が苦しすぎて、そんなことを妄想し気をまぎらわせていた私。
悪ノリにもほどがある?
けど、所詮はたわいもない妄想、妄想。
頭の中では何を妄想してもオッケー♪
誰にも迷惑かけないしね。
しかし、昨日ブログで「あれは、なんちゃって親切だった」とか、さんざん書いたくせに、お礼をもらって、億万長者になる妄想をするあたり、我ながら俗物感半端ない(笑)。
しかも、あのお爺さんが本当に具合が悪かったのかなんて、本当の所はわからないのに。
もしかすると、ありがた迷惑だったって可能性だってあるわけで。
ひょっとすると、お爺さんは実は大泥棒で、私が警官に声をかけたせいで捕まってしまった…なんてこともあるかもしれないのに(さすがにそれは無いか)。
しかも、お爺さんの方言はどこのもの?
適当に雰囲気でどっかの方言っぽく喋らせてるだけやし。
暑さのせいです♪
そんな妄想を手短に息子に話したら、
「幸せな人生やな」
と一言。
すっかりあきれられました(笑)。
これも全て暑さのせい。
真夏の妄想は、したもん勝ちです♪
本日の日めくりカレンダーです。
7月19日(木)

『今日は人の上、明日は我が身の上』
今日は人におきていた災難も、いつ自分の上に降りかかってくるかもしれないということ。