おばちゃんDays

調理師たき子によるオオサカのおばちゃんブログ

閉店ガラガラ。つぶれる店には理由がある3つのケース

やっぱりつぶれた

こんにちは、たき子です。

ご近所を歩いていると、とある和食レストランが取り壊されていました。



 とうとう…

続いて思ったのが、

 やっぱりなあ

さらに、

 よく今までもったよね

それが私の感想でした。


つぶれた店 ケース① 『品質』
 味もサービスも低レベルの店

そう、つぶれるのには理由があります。
最低だったから。
味もサービスも。



オープンして間もない頃、訪れたことがあります。

他に人待ちもなく、座席も空いていたのですぐに案内されるだろうと思っていたら、通されたのは10分後でした。

見ていると、従業員が全く機能していないんですね。
お客の帰った後のテーブルは片付けられないまま放置。
テーブルが空かないから次の客を案内できない。

注文品を運んだら、戻るついでに隣の席のお皿片付けようよ、って言ってあげたかったわ。

それほどバタバタしているようにも見えないのにです。

全体を見て、自分も動きながら指示できる人がいないのでしょうけど、そんなんで開店しちゃうのが間違いです。

でも、オープンしたてだからやむを得ないかもしれないと、大きな心でこらえていたのですが、決定的にあいそをつかした事がありました。

その店は、

“○○と本格直火炊き釜飯”

と書いた看板を掲げており、○○というメインの料理と共に、釜飯を大きくセールスポイントとして謳っているのです。



期待して釜飯を注文したところ、

「釜飯は、20~30分お時間いただきますがよろしいですか?」

との事。
もちろん、米から炊いて蒸らすんだから時間がかかるのは承知のうえです。

けれど、30分ほどたって、運ばれてきた釜飯を食べて、ちゃぶ台ひっくり返したくなりました。

確かに釜に入っています。
その釜で炊いたようなふりして運ばれてきましたが、その釜で炊いた物ではありませんでした。

そりゃあ、見て食べただけで証拠はないけど、どこからどう見ても、断じて炊きたてのご飯ではありません。
他で炊いた混ぜご飯をつめただけのものです。
炊きたての風味も何もない、しかもマズい炊き込みご飯でした。

“この釜で炊いたとは書いてないから嘘は言っていない”

“大きな直火炊きの釜で炊いたのを詰めているのだから嘘ではない”

百歩譲って、そんな言い分は通るかもしれません。

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そういうニセモノの釜飯も釜飯と呼ぶことは知っています。

実は以前、大手チェーンの和食レストランでパートしていた頃、釜飯を担当していたことがあります。
そこの釜飯も、注文を受けると冷凍の釜飯を釜に移し、スチーマーで数分蒸し、仕上げに錦糸玉子などをトッピングした物でした。

ニセモノですが、嘘ではない“釜飯”でした。
それならそれも仕方ないだと思います。
だけど、さも炊きたてを匂わすような

「お時間いただきます」

卑怯でしょ。



看板メニューか、コレが!?
コレが本格直火炊きか!?

直接クレームをつけたりはしませんが、店内アンケートには、きっちり書かせていただき、“もう来ない”に○をつけたことはいうまでもありません。

息子に、

「こんな店、言うてる間につぶれるで」

と断言した通りになりました。

建物を壊しているので次に建つのは飲食店ではないかもしれません。
駐車場かコンビニかになっているのかもしれませんね。


つぶれた店 ケース② 『経営』
 必要な労働力を見定められない店

とあるスーパーのフードコート
オープンほやほやのピザ専門店で食べたときの事です。



味は美味しく価格も手頃。
ただ、食べながら見ていると、狭い店舗内に5人もアルバイトらしき若者がいるんです。

オープンしたてなので、他の店舗からヘルプに来ていたのかもしれませんが、それならそれで仕切る人がいないのは何故なんだろうと不思議でした。

仕切るべき人が仕切れなかっただけなのか、元々仕切れる人がいないから、せめて数だけでもと余分な数を投入したのか。

オープンしたてとはいえ、小規模スーパーのフードコートです。
混雑するわけもなく、手もちぶたさのアルバイトが狭い店舗内でひしめきあっているのを見て、

「この程度の店なら3人、いや、2人で回さなアカンわ。この店永くはもてへんな~」

と息子に予告した通り、数ヵ月後には撤退していました。

味は美味しかったので残念です。


つぶれた店 ケース③ 『勘違い』
 自己満足の店

とあるカフェ
中年女性が一人で切り盛りしていました。



駅近でもないし、ロケーションはさほどよくないけど、スポーツ施設に併設しており固定客は見込めるはずでした。

けれど、彼女店をまかせてから常連客は次々離れ、とうとうつぶれてしまいました。

料理を作れないお客さんとケンカする、カフェの敷地内だからテラスは通るなと言う。
テラスを通れば呼び込むこともできるのに、彼女はスポーツ施設に通う中年年男性を排除しようとしたんです。

おしゃれな自分のカフェに来店してほしいのは、中高年の男性客ではなく、おしゃれな若者や女性客でした。

常連客が怒るのも無理ありませんでした。
あの店には絶対行かないと断言している人が何人もいました。
もう来るなと言われて怒らないお客さんはいませんよね。

そんなおしゃれな店にしたいのなら何故その店を選んだのか理解に苦しみますが、家賃が格安だったからでしょうか。

その他にも、自分の都合で営業時間を遅らせたり、買い物に行くために外出中の札を提げて留守にすることはしょっちゅうでした。



周囲の人たちは、

「閉まってる事が多い。あれじゃアカンわ」

陰ではそう言っていたのに、本人に面と向かって言ってあげる人間関係を作れていなかったのです。

その結果、格安の家賃も捻出できず閉店するのに時間はかかりませんでした。

ニーズに合わせることをせず、自分の理想のお城を作りたかっただけでした。
彼女にとって、カフェは大きなオモチャだったんです。


永く続く店にも理由がある

経営努力していても、品質を頑張っても、残念ながらつぶれてしまう店もありますが、多くの場合は納得できる理由があるのではないかと思います。

ちなみに、冒頭のつぶれた和食レストランの向かいにあるのは、永年営業されているうどん屋さんです。



ぶれない味、親切な応対。
うどんのおツユがぬるかった事など一度たりともありません。

私の母が食べに行くと、頼んだわけではないのに残したかやくご飯をオニギリにして「今夜食べてね」と持たせてくれます。

長く続く店にも理由があるのです。