おばちゃんDays

調理師たき子によるオオサカのおばちゃんブログ

アジフライ夏の陣


庶民派だけどハードル高し



こんにちは、たき子です。

「そろそろアレ食べたいな」

息子のその言葉を聞いた時、私にはピンと来るものがありました。
なぜなら私も最近食べてないと思っていたから。

「アジフライ?」

「そう!」



アジフライ、この庶民派代表の魚料理に目がない私たち。

けど、そんなにしょっちゅうは作りません。
なぜかと言うと…。

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時々しか作らない理由は
 サイズ・体力・ゴミ出し


理由その1

ちょうどいいサイズのアジが、いつも手に入るとは限らないんです。

大きすぎると大味になるし(ダジャレではない)小さすぎるのをチマチマさばくのは大変です。

理由その2

ちょうどいいサイズのアジを買ったとしても、さばくのはやはり面倒です。

イワシならお腹から指で開いて簡単に骨を取れるけど、アジはそんなわけにはいきません。
おまけに、ゼイゴのみならず、固いトゲのようなものまでお腹についています。
おまけに指を切ったり突き刺したり、デンジャラスな作業を伴います。

魚をさばくのは苦手な私。
元気のある時しか作ろうという気持ちになれないんですよね。

理由その3

ごみ出しの前日がいい。



魚の頭や内蔵のゴミの臭いこと、臭いこと!

一晩ならまだ耐えられるけど、何日も置いて腐りきった臭いは尋常じゃないことを、大抵の人は経験済みかと思います。
できればゴミ出しの前日の、日曜か水曜の夕飯にしたい!

ここで問題が。
日曜と水曜って、ちょうど中央卸売市場の定休日なんですよね。
つまり、新鮮な魚は手に入りにくい。

大阪だけでなく、全国的に中央卸売市場は日曜と水曜に定休日みたいですね。
水曜はやってる日もあるみたいだし、お店によっては、水曜は直接岸和田港あたりから仕入れて販売しているところもありますが。

ゴミ出しの前日以外にさばく時は、仕方なく新聞紙に包んでビニール袋に入れて冷凍庫へ。
ゴミ出しの日まで冷凍保存される事になるのです。

だけど、忘れがちなんですよね、このゴミをだすのが。
夕方冷凍庫を開けて気づいた時の悔しさったら!
ああ、なんでまた忘れちゃったんだと後悔しても後の祭り。

次のゴミの日まで冷凍庫を占領することになるのです。
最近ではもうゴミ箱に“冷凍ゴミ”と貼っています。
朝の忙しい時に冷凍ゴミまで思い出せる自信ゼロだもの…。


数々の障害を乗り越えても
 やはり出来立てを食べたい~

冷凍食品を使えばお手軽なんですけどね。
冷凍食品じゃなくても、お惣菜を買えばそんな悩みは全て解消!なんですけどね~。



でもやはり、冷凍やお惣菜のアジフライと、自分で生のアジを開いて作った揚げたてアジフライとでは、ぜんっぜん美味しさが別物。

なので、自らの体力ゴミ出しの日を念頭におきながら、ほどよい大きさのアジが売られていないか、常に気にかけて買い物などしている毎日です。

さばいて開かれた状態のアジも売ってる時もあるけど値段がなぁ。
3倍はするんだもの。
おケチ根性の私が、割高とわかってて買えるはずもありません。

こうして、大好きなのになかなか食卓に上らない、ある意味特別の献立なんです。

あ、だからって私が冷凍食品を使わない模範主婦っていうわけじゃないですよ~。
朝食のサバの塩焼きとか鮭の塩焼きとかはオール冷凍食品だし、お弁当にも毎日何かしらの冷凍モンは入っています。

ただ、アジフライだけは冷凍じゃ許せない。
なんだ、そのこだわりは(笑)。


100円のアジを奪われた!?


この間の夕方、城東商店街の魚屋で見つけた、理想的な大きさのアジ。



1パック100円

ラスト一個だったので、すかさず手に取り店内を物色していると、お店のお姉さんに呼び止められ、こともあろうに

「あ、それちょっと貸してね」

と、私の持っていたアジを奪い取られたではありませんか!


魚屋さんの、すっばらしい対応

 何なに?
 どうすんの?私のアジ

すると、お姉さんは手にしたペンでパックの値段を60円と書き変えて返してくれたんです。

「この時間、もう値引きで~す」

と言い残し去ってゆくお姉さん。

最後のアジだから、値下げしなくてもわからないのに、客が手にとった後でも積極的に値下げするお店の方針に感動!!

その後ろ姿が神々しく見えたのは言うまでもありません。


60円で、すっばらしいメインディッシュ

1パック4匹で60円!?
こみあげる笑いを抑えられない私。

60円で二人分の夕食のメインが作れると思うと俄然やる気になってきた!



ゼイゴをそぎ、頭とエラとはらわたを取り、トゲのような骨も取り、パン粉をつけてサックリと。



いっただきま~す♪
もちろんウスターソースでガブッとね!
揚げたてサックサクですっばらしく美味しー!!

1匹目の半分食べたところで、横から忍び寄る魔手が。

「あっ!私のアジフライ~!」

4匹のアジ。
嫌な予感はしていたんです。
ヤツが2匹で満足する訳がなかった!
抗議もむなしく、私のアジフライ半身は、容赦なく咀嚼され、息子の胃袋に納まりました。

 また作ろう。頑張ってさばこう、
 近々きっと。
 今度は2パック買って、
 取られる分を計算して、
 食べる個数+1匹をあらかじめ
 自分のお皿に盛っておこう。

作るのも食べるのも戦略的に攻略しないと、体育会系高校男子の食欲にたちうち出来ないことを思い知ったアジフライ夏の陣でした。