おばちゃんDays

調理師たき子によるオオサカのおばちゃんブログ

大阪市小学校給食のパン食事情

提供されるジャムの種類


こんにちは、たき子です。

昨日のテーマは柿ジャムでした。

そこで今日は、元大阪市の小学校給食調理員が、大阪市小学校給食のジャムやパン食や、その他諸々の給食事情についてご紹介したいと思います。

大阪市の小学校給食で出されるジャムは、

 イチゴジャム
 リンゴジャム
 ブルーベリージャム
 アプリコットジャム
 マーマレード

以上の5種類です。


メーカーは複数あり、その時によって違う業者の物が納入されてきます。

これにバターマーガリンハチミツを加えた8種類がパン食の日の添加物として提供されるんです。

添加物と聞くと、化学調味料を連想してギョッとしますが、パンに添える物という意味で、ジャムなどの小袋を“添加物”と呼ぶようで、よけいなものが添加されているわけではないんですよ。

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マーガリンは毒?

給食の添加物で印象的なエピソードが。
私が小学校給食調理員をしていた時のことです。
ある時、海外から来た児童が

「マーガリンは毒だ」

と言って食べなかったんです。

 

その児童の住んでいた国では、国が法律でマーガリンを禁止していたそうですから、食べるのに抵抗があるのも無理もありません。

マーガリンのトランス脂肪酸の危険性についてはかなり以前から指摘されていますし、欧米では禁止されていたり、トランス脂肪酸の含有量の標示義務がある国も多いようですが、日本ではそうした規制が緩いため、あまり気にする人はいないようですね~。

確かにトランス脂肪酸が理由でマーガリンを避けても、マーガリン以外での油やスナックなどトランス脂肪酸を含んだ食品を大量摂取すれば同じことですしね。
また、最近のマーガリンの中には、トランス脂肪酸の含有量が少ない物も発売されているらしいですし。

食品添加物については、気になることはなるんですが、気にしだしたらキリがないので、私は、あまりヤバそうなものは避けながら、なるべく偏らずバランスよく食べることで自衛したいな~なんて思っています。



できれば有機栽培やオーガニックな食品を選びたいとは思うんですけどね~。
そういった物はお値段高くて、いつも買えるわけではないんですよね。


不人気なハチミツ

ところで、大阪市小学校給食で出される8種類の添加物の中で、一番不人気なのがハチミツです。 

ハチミツは一人1本、小さいチューブで提供されるのですが、開けられていないハチミツが何本も残食として返却されてきます。

昔はジャムが残れば持って帰りましたが、今はそんなこと出来ないので、もったいないけど帰ってきたハチミツは全て廃棄されます。

子どもって食に関しては保守的というか、馴染みのない味は嫌われる事が多いので、ハチミツを食べ慣れていないからかもしれません。



また、味だけでなく、手はベタベタするし、垂れるしで食べづらいそうで、1年生の担任の先生は苦労するのだとか。

確かにハチミツのチューブをねじきって、こぼさずパンに塗り食べるというのは、1年生にはハードルが高いかもしれませんね(笑)。


パンの種類

次に大阪市小学校給食で出されるパンについてですが、パンの種類としては、

 食パン
 コッペパン
 黒糖コッペパン
 レーズンパン
 ライ麦パン
 パンプキンパン

以上6種類があります。
食パン以外は当日の朝に焼きたてが運ばれてきます。

このうちライ麦パンは人気薄です。
ボソボソした食感が子どもむけではないかなと思います。

人気なのは黒糖ロールでしょうか。
甘くてフワフワで美味しいです。

数年前にパンプキンパンが登場したとき、オレンジのふっくらした見た目に皆すごく期待を抱いたのですが、味はコッペパンと大差なく、コッペパンのようにジャムなどがつかない分、食べにくかったという残念な思いをしました。

大阪市では、どのパンに何のジャムやマーガリンをつけるかの組み合わせは各校の栄養教諭に任されているんです。

給食は一カ月単位で考えますから、例えばひと月にパン食の日が10日あるけど、添加物(ジャムなどのこと)は6個だったりするので、添加物は食パンやコッペパンにつけられる事が多いんです。

また、懐かしい給食メニューの定番が揚げパンですが、大阪市では揚げパンは提供されません。

大阪府内では揚げパンを出す市町村も多いのですが、大阪市では昔から頑として出ないのです。

揚げパンは主食ではなくオヤツだというのが大阪市教育委員会のこだわりなのだと聞いたことがあります。


行事献立にクリスマスはなし

揚げパンだけではなく、大阪市教育委員会はなかなか考え方の固い団体で、行事献立も日本古来からの伝統を守るためのものに限られています。

 正月
 節分
 子どもの日
 月見

この4つが行事献立。 

ほかに入学祝い献立卒業祝い献立があり、卒業祝献立はおかずが一品多くつきます。

しかし、大阪市ではクリスマスにクリスマスケーキやローストチキンが出ることはありません。

他の市町村では出すところが多いようですが、大阪市では宗教色のある行事はNGなんです。


味はやはり違いがある

同じ材料を与えられ、同じレシピで作っても、やはり作り手によって質は変わってきます。

パンもそうです。

パンの業者は一社ではなく何社かあります。
以前私の働いていた学校のパン業者がある年、替わりました。
すると、パンが明らかに美味しくなったんです。

大阪市で決められた同じ材料を同じ作り方で作っているので同じ味になるはずなのですが、実際には違ってくるんですね~。

機械の差か職人の腕の差かはわかりません。

最終的に人間の作るものですから、こうした調理員の知識や経験によって完成度が左右されるのはいたしかたない面はあると思いますが、調理員のスキル以前の問題が潜んでいる場合もあります。


まずい給食が話題になったが

その一つがデリバリーによる弁当タイプの給食の問題点です。


最近も神奈川県の中学校で給食がまずいと話題になって給食が中止になり波紋を広げていますが、デリバリー方式の給食では起こりがちな問題です。

味がどうのという以前に、冷たさで敬遠されているんです。

なぜなら給食は、完成から食べるまで2時間以内でなければならないという制約があるため、それができないデリバリー方式ではおかずを冷蔵保存せざるを得ないんですよね。

大阪市の中学校でも同様のデリバリー方式をとっているので、ニュースの第一報を聞いた時、えっ大阪市!?って思ってしまいました(笑)。

大阪府下でも、大東市の中学校にはおかずを温める機械があるそうです。
ただし、弁当箱ごと温めるため、冷たいサラダも何もかも温まるのだと大東市の中学生の親が苦笑していました。

本当なら全中学校が自校方式で給食を作れるのが理想ですが、予算の壁は厚いようですね~。

だけど、食に関しては優先して進めてもらいたいです。
専業主婦がほとんどいない今、お弁当作りの負担は大きいですからね。

日本のお母さんマジメだから~。
みんなきっちり作る人が多くてエライわ、ほんまに。
我が家はお弁当のおかずの半分は冷凍食品です!
朝昼晩3食手抜きしないなんてムリムリ。

そういえば、マーガリンを食べない児童の住んでいた国では、食の安全性をさぞや重要視しているのかと思いきや、お弁当としてポテトチップスの大袋を持ってきたりするのが珍しくないそう。



なんか違うやろと突っ込みたくなったけど、冷凍食品に頼ってるオマエが言うなと言われそうなんで、今日はこのへんで(笑)♪