おばちゃんDays

調理師たき子によるオオサカのおばちゃんブログ

茶摘み体験記② 探せ!一芯二葉

茶摘み体験記①の続き


 白栖・石寺の茶畑

いざ茶畑へ

こんにちは、たき子です。

茶摘み体験の集合場所、和束茶カフェへ戻ると、さっき梅干しを買った出店に新しい品物が。 



珍しい干しずいき



淡竹(はちく)も。
時期がおしまいで、大阪ではもう見かけません。
淡竹は食べたことがないけど買ってみることにしました。

 【淡竹を食べる記事はこちら

いよいよ茶摘み体験です。
体験料1000円を支払い一同茶畑へ。
私達の他は外国人の方など総勢10人位です。

歩いて3分ほどの茶畑へ向かう途中の和束川に架かる橋。



橋の欄干に茶摘みの図柄のタイルがはめ込まれています。



可愛いなあ♥

桜の彫り物も。



こちらは百合ですね。



山には茶畑。平地には田んぼ



田植えがすんだばかりと思われる稲の風景が懐かしい。
小さい頃住んでいた堺は、家のまわりがこんな田んぼだらけだったなあなどと思いながら歩いてゆくと、間もなく無農薬で育てているという、茶畑へ到着しました。

 



一芯二葉は難しい

一芯二葉と言われる、先端の若い葉を好きなだけ摘んで下さいね」

とレクチャーを受け、渡されたザルを手に斜面を登ります。

思ったより急斜面なんだ、これが。
手すりがあるわけでもないし、気を抜くとずり落ちそうです。
雨じゃなくて良かった!
これでぬかるんでいたら絶対に滑って転ぶやん。

坂を登り、お茶の木と木の間に落ち着いて辺りを見渡します。



これが一芯二葉
嗅いでみても、特にお茶の香りはしません。
草の匂いがするだけです。



プレバト俳句の査定コーナーで、梅沢富美男さんの詠んだ好きな俳句を思い出しました。

 乙女摘む 一芯二葉 夏は来ぬ

乙女?一芯二葉摘みます!

ところが、茶摘みシーズンの終盤にあたる6月半ばともなると、既によさそうな若い新芽は少ないんですね。
多くは育ちすぎ、多くは摘まれてしまっており、仕方なく大きい芽でもいいかと、とりあえず摘んでゆきました。

お茶の葉の間にはアマガエル



バッタも。



キリギリスでもないし、何ていうバッタなんやろう。

バッタ見たりカエル見たりしながら約20分でこれだけ摘むことができました。





摘んだ茶葉をライターで焼かれる

ガイドのお兄さんとしゃべりながら和束茶カフェの前に戻り、製茶方法が書かれた紙をもらいました。
自分で摘んだお茶は持って帰って製茶にできるんです。



そこへプラリとやって来たのが、日に焼けた浅黒い肌のとあるおっちゃん。

ガイドのお兄さんに話しかけ、私達が手に持つ茶葉を見て、

「大きいなあ。これなら番茶にしかならんなあ」

などと値踏みをはじめました。

やっぱり…そうなんやろうなとは思っていたけど。

するとおじさんは、おもむろに私達の摘んだ茶葉を1枚つまみあげ、ポケットからライターを取り出して手にした茶葉焼きはじめるではありませんか。

 えーっ!?
 何すんの
 せっかく摘んだ茶葉を

そんな心の叫びをよそに、茶葉をあぶり終えたおっちゃん、今度は両手で揉み始めました。


 
丹念に揉み続けるおっちゃん。



「こうしてな、あぶって揉んで水分をとばすんや」

もしかして、親切なおっちゃんなん?

「あぶってない葉を揉んでみぃ」

T子ちゃんが摘みたての葉を揉むと



「ほらな、ボロボロになるやろ」

ほんまや!

「あぶったほうはボロボロになれへんねん。あぶって揉んで、それを簡単に説明してるのがこの紙や」



なるほどね~。
摘みたての茶葉が揉まれてクチャクチャになったみたいやけど、広げたら破れてへんわ。

揉まれた茶葉を嗅いでみると。

「する! お茶の匂いするわ!」

代わるがわる匂いを嗅ぐ私達。

そりゃあ茶葉なんやからお茶の匂いするのは当たり前なんですけどね。

けど、さっきまでは確かに草の匂いしかしなかった茶葉が、あぶられ、揉まれることにより、お茶に変わった様子を初めて目の当たりにして、茶葉に命が吹き込まれたような感動を覚えた…というのはちょっとオーバー?

でもそんな感じ。

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3人のおばちゃんナンパされる?

茶畑は見に行った?」

イエ、今からお茶買って、帰りに寄ろうかと。

「どこの茶畑?石寺?」

エート、あ、これ。原山?に行こうかと。



パンフレットを見せると、

「ここ車で行かれへんで。歩いて登らなあかんで」

エッ!? そうなんですか…。

石寺やったら今から通るから、ついてきたら連れてったるで」



どうする?
目でどうするどうすると相談しあう私達。

親切やけど、でも知らんおっちゃんにノコノコついて行ってええのんか?

「来るんやったら連れて行ったるで。うちの畑もここにあんねん」

お茶の生産者さんやったんか。
どうりで日に焼けてるはず。

「お茶はどこで買うん?」

○○っていうお店で買おうかと。

「○○か。あそこのはブレンドやで。ここ(和束茶カフェ)のはそれぞれの畑のやつやねん」

なるほど。そうやったんや。
それなら和束茶カフェのショップで買ったほうがいいなと、おっちゃんと和束茶カフェのショップへ入ると、入口付近に生産者と畑の案内が。



「これ、ウチの畑。これ、私」

ほんまや。この人や。

「それで、これがウチが作った新茶



和束茶カフェには、所狭しとさまざまなお茶が並べられているんです。

生産者もお茶の種類も多すぎて、どれを買えばいいのか決めかねていた私達は、これも何かの縁と久保見製茶さんの新茶を購入することにしたのでした。

試食で美味しかったお茶のつくだ煮も買い、久保見さんについて、車で石寺の茶畑へと向かうことになりました。




絶景! 白栖・石寺の茶畑

途中車をとめて見た、久保見さんおすすめの風景。



もう1ヶ所。



そして白栖・石寺の茶畑へ到着。



お茶は一度摘んだあと、約45日後に次の収穫をするそうで、ところどころ畑の色が違うのは、収穫前だったり後だったり時期がずれているからだそう。
収穫は、大きなバリカンみたいなのでするらしいです。

黒い部分は覆いをかけて過保護に(?)育てられ抹茶に、それ以外の陽の当たる畑で育てられると煎茶になるんだって。 



お茶を粉末にしたものが抹茶なのだと思っていた私…。

また、田んぼのようにも見える部分は、植えられたばかりのお茶の葉だそう。



ところどころに立てられている白い棒の先には扇風機がゆる~くまわっており、霜がおりるのを防ぐのだとか。




そして、この中央にある茶畑がおっちゃん、いえ、久保見さんの茶畑



さっき買ったお茶も、この畑で育てられたのだそうです。

ここ石寺の茶畑にはこんなベンチも。



こんな広い斜面にどうやって水を撒くのか?

水は撒かないのだそうです。
自然に降る雨が頼りなんですね。

今年はカラ梅雨で乾燥した空気が茶葉の生育には良くないそうです。
かといって、豪雨も困りもので、しとしと降る雨がちょうどいいのだと話してくださいました。

見ず知らずの私達を案内して、お茶への熱い思いを語って聞かせてくれた久保見さん。

ひょっとしてナンパか?などと、チラッとでも思いかけた図々しい私達をお許し下さい。

この下の川の辺りはがきれいだから、また春に来るといいよといい残し、笑顔で手をふり去って行った久保見さんでした。



久保見さんの新茶の味。
そして、私達が摘んだお茶の味。
製茶はうまくいったのか。

そのあたりはまた、後日、番外編でお伝えさせてもらいますね♪

茶摘み体験記①はこちら
茶摘み体験記・番外編『製茶』はこちら