おばちゃんDays

調理師たき子によるオオサカのおばちゃんブログ

拝啓、有働由美子さま『ウドウロク』読みました

こんにちはたき子です。

タレント本は読みませんが…




拝啓 有働由美子さま。

私は、タレント本というものをあまり読みません。

タレント本のほとんとがエッセイですが、エッセイって、書き手の着眼点やら考え方やらがストレートに伝わってきて、

 何だ、結局ただの自慢話か

とか、

 言い訳したかっただけか

とか、ろくな感想しか持てないことが多いからです。

こんなことを書くと、成功している人に対するやっかみと思う人もいるかもしれません。
そういう部分はあるのかなあ?
う~ん。自覚はないけど、もしかして心の奥底ではあるのかもしれません。

けど、エッセイとかって、共感できるかできないか、面白いか面白くないか基本それだけなんですよね。
だから、面白くないものを読むと、ああ時間を無駄に使ってしまったって残念な気持ちになるのもいたしかたないかと思うんです。

“私、こんなに家族愛してます”

もしくは、

“こんなに愛されてます”

的なエッセイ読んでも

「ああそう、良かったね」

と思うだけだし、殺人犯や殺人犯の家族の手記などを読んでも、保身や身勝手な言い訳ばかりを連ねていて、何も響いてこないのです。

そんな、何一つ共感できるものがないエッセイが多いなか、『ウドウロク』は、共感できるものしかない、レアなエッセイでした。



“はじめに”の中で、

「きっと、男性が読んだら中年女が怖くなり、順風満帆に幸せになった女性が読めば、軽蔑するでしょう。そんな本です」

と書かれていましたね。

男性でも、順風満帆に幸せになった女性でもない私は、このくだりを読んだ時点で既に、久々に面白いエッセイに出会えそうな気がしていたんですよ。
そして、その通りになりました。

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わき汗かいてもええやん

有働さんのことは、前から感じのいい人だな~とは思っていたのですが、なぜ、わざわざ本を買ってみようという気になったかというと、それは、ある日のあさイチで、私の有働さんへの共感度が一気に上がったからです。

それは今年の5月31日。
ユニクロによる
「女性のわき汗についてどう思うか」
というアンケートで、こんなランキング結果が紹介された時のことです。

 1位 清潔感がない
 2位 信用できない
 3位 生理的に受け付けない
 4位 周りへの配慮ができなさそう
 5位 頑張っているなと思う

これを聞いた有働さん、軽くキレましたよね。

「わき汗かいて頑張ってる女性を信用できないなんて、こっちから願い下げだけどね」

「周りへの配慮ができなさそうって、お前のことが信用できないし、あんたのほうこそ配慮ができないヤツだと思いますけどね!」



そりゃあ、キレて当然です。
暑ければ、汗もかきます。
脇どころか、顔も背中も、全身から汗が吹き出します。
私なんて更年期だから、暑くなくたってコーヒー飲んだだけで汗かきます。

だから汗拭きシートは常に携帯しているし、ハンドタオルも持ち歩いています。
じかヌリしたり、フキフキしたり、荷物になるのに着替えを持ち歩いたりいろんな対策をして周りに不快感を与えないよう気を使っているんです。

それを清潔感かないとか、信用できないとか、生理的に受け付けないとか、配慮がないとか、なんだそれ!?

と思っているところへ有働さんがキレてくれたので、私の怒りは少しおさまってスッキリしました。

それ以来、有働さんラブ♥になり、有働さんのブログを読んだりインスタを見たりするようになったんです。

その、わき汗の件も「ウドウロク」で触れていましたね。
ただし、今年のではなく以前の“わき汗騒動”について。

わき汗騒動が起こったのは、私があさイチを見はじめる前の話だったので、その事は知りませんでした。

わき汗騒動とは、数年前、有働さんが番組内でわき汗をかいたことで、非難やら励ましやらいろいろな意見が押し寄せた出来事だそうですね。

わき汗事件を逆手にとるたくましさが素敵です♥
おっと、女性にたくましさって誉め言葉にならないでしょうか。

キレイで可愛くて賢くてたくましい。
最大限の誉め言葉だと思っているのですが。


華やかな別世界の人なのに

ウドウロク」の中には、結婚や元彼のことなど、こんなことまで公にして大丈夫なん?と思うようなプライベートな話まで書いてありますね。

また、いろんな事にもやもやする日常も書かれていますよね。
その中には、えっ、そうなの?と思うような事もたくさんあります。

たとえば、

「1日働いて仕事が終わって、その後で外で食事する腹筋がなくなった」

ため、

「家で腹筋をリリースし、贅肉を投げ出して、一人ぼそぼそと、とりあえずあるものをお腹に入れる楽ちんさ」

を選んで夕方のスーパーに寄るものの、品数少ない独り者の自分のカゴに心をざわつかせるとか。

有働さんはいうまでもなくNHKの女子アナで、華やかな世界の人だと思っていたのに、そんなことで悩むなんて。

外食の相手に不自由し、スーパーのかごの中身が人生の薄さのように見え虚しくなるなんて。

私から見れば、さぞかし密度の濃い人生だろうと思うのに、人間って自分ではそうは思えないものなんでしょうか。



ちゃんとゴミだしして、税金払って、警察のお世話になることも、妙な宗教にはまってまわりを巻き込もうとすることもなく、ちゃんと生きてる有働さんの人生、薄くなんてないです。

胸はって夕方のスーパーのレジに並んで下さい。胸はって、わき汗かいてください。
そして、そんなに気をつかわずにもっと図々しく生きて下さい。
ご自分では図々しいと思ってらっしゃるかもしれませんが、私から見ればじゅうぶん気をつかいすぎる人に思えます。

こんなおばちゃんに好かれても、嬉しくも何ともないとは思いますが、私は有働さんが好きです。
「すごわざQ」でよろける有働さんを可愛いと思っています。

どうかいつまでも、そのままの、率直で気っ風のよい笑顔の素敵な女性でいてくださいね。
これからも応援しています。
最後に、お酒はほどほどにして(人のこと言えないけど)、くれぐれもご自愛ください。

               敬具

以上、私から有働由美子さんへの一方的なラブレターでした。



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