二度読み必至!元お笑い芸人藤崎翔のミステリー『お隣さんが殺し屋さん』
毛色の変わったミステリー
こんにちは、たき子です。
6月になりましたね!
梅雨入りも近くお出かけには億劫な季節になってきました。
そんな「休日ひきコモラー」(←たき子がテキトーに考えた造語ですw)のアナタ、毛色の変わった小説はいかがですか?
それが藤崎翔の『お隣さんが殺し屋さん』。
タイトルだけを取ってみても、
『隣人は殺し屋』とシンプルに書くのではなく、あえて
『お隣さんが殺し屋さん』
って、“お”や“さん”をつけちゃうところが、普通のまともな(失礼!)ミステリーではない匂いがプンプンしてきますよね!
それもそのはず。
藤崎翔は、元お笑い芸人という異色の経歴なのです。
藤崎翔の経歴

藤崎翔は、高校卒業後お笑い芸人『セーフティ番頭』というコンビを結成するが、まったく売れず6年間でテレビ出演は一度きり。
ホームヘルパーの資格を取るも「面白いものを作ってお金を儲けたい」と、清掃員のアルバイトをしながら投稿を繰り返した末、やっと日の目を見たのだそうです。
息子から勧められたものの、正直、元お笑い芸人の小説か。。。と期待せず読み始めたたき子ですが、読みはじめてすぐにそんな先入観は間違いだったことに気づかされました。
しっかりした文体、破綻のない構成力、読み手を惹き付けるストーリー性、それらが軽妙でユーモラスな表現力とあいまって読者を飽きさせません。
ネタバレ要素含むので要注意
『お隣さんが殺し屋さん』は、専門学校入学のために田舎から上京した女子学生が、お隣の青年に好意を抱くがお隣さんは実は。。。というストーリーです。

ネタバレになるので内容については、これ以上は触れるべきではないのですが、もう少しだけ。
読んでみようかなと思ってる方はこの先は読まないでくださいね!
特にこの小説はネタが全て。
ネタがバレちゃったら何の面白味もなくなってしまうので。
。。。。
。。。。
。。。。
実は、ラストのどんでん返しは『イニシエーションラブ』に通ずるものがあるんですよね。
『イニシエーションラブ』は、乾くるみの小説で、ラスト数行によるの大どんでん返しが売りです。
数年前、くりぃむしちゅーの有田哲平がテレビで紹介して以来ベストセラーになり、松田翔太と前田敦子主演で映画化もされました。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)
もちろん、『お隣さんが殺し屋さん』と『イニシエーションラブ』は同じからくりではないのですが、同じ系統と言いましょうか。
ミステリー小説のからくりジャンル分けというものがあるなら(例えば被害者が犯人だとか、多重人格だとか、実は加害者はいないとか)同系列のどんでん返しなのです。
どんでん返しは唐突に
これ以上書くと本当のネタバレになってしまうので止めておきますが、勘の良い方はこのヒントだけで途中で気づいてしまうかもしれません。
ちなみに、ノーヒントで読んだ私は、からくりにまったく気づかなくて、まんまと作者の術中にハマってしまいました。
そういえば途中何ヵ所か違和感を感じたなあ。。。などと思っても後の祭。
どんでん返しは唐突にやってくるのですよね~。
読み返してみると、確かにそう読めなくもないかという箇所だらけで、時系列も辻褄が合ってます。
そんなの有り?って突っ込みたい部分もありますし、多少強引な感は否めませんが許容範囲。
なぜ全く疑わなかった、私!
悔し~い( ̄□ ̄;)!!
。。。と思わせる小説です。
「イニシエーションラブ」を読んでいない方は、特にどんでん返しが特に新鮮に映ると思われますので、よろしければぜひご一読を。
読んでいる方も、似てると言っても当然仕掛けは違うので、仕掛けに気づくか挑戦されるのも面白いかもしれません。

お隣さんが殺し屋さん (角川文庫)
横溝正史ミステリ大賞受賞作『神様の裏の顔』も面白い
藤崎翔の小説をもう一つ。
藤崎翔といえば、こちらの小説のほうが有名かもしれません。
『神様の裏の顔』
第34回横溝正史ミステリ大賞受賞作です。
『神様の裏の顔』も「お隣さんが殺し屋さん」同様面白かったのですが、こちらは結末の予測が多少ついていたので私にとっては予測不能な『お隣さんが殺し屋さん』のほうが面白かったですね~。

神様の裏の顔
どちらの小説も、心に刺さる名言も何もないので、単純に楽しみたいライトな読書にピッタリですよ~♪
おまけは先日のTHE和食な晩ご飯。
左手前↑↑は『はちく』で炊いた筍ご飯です。
筍が終わってもまだもう少し筍ご飯を食べられて幸せです♥
この他の読書感想はこちら
【朝井リョウの直木賞作品『何者』を読んでミゾミソした】
【村田沙耶香の芥川作品『コンビニ人間』が問う“普通”】
【拝啓 有働由美子さま『ウドウロク』読みました】
【『ユリゴコロ』イヤミスを超えた沼田まほかる渾身の傑作】
【三浦しをん『風が強く吹いている』は、箱根駅伝を舞台にしたクレイジーなファンタジー】
【テンション上がりすぎて寝かしつけむけではない?『うんちレストラン』】
【バカバカしさが炸裂!児童書『バカ昔話』】
【流転の海最終章『野の花』に自身の裏切りが重なる】
こんにちは、たき子です。
6月になりましたね!
梅雨入りも近くお出かけには億劫な季節になってきました。
そんな「休日ひきコモラー」(←たき子がテキトーに考えた造語ですw)のアナタ、毛色の変わった小説はいかがですか?
それが藤崎翔の『お隣さんが殺し屋さん』。
タイトルだけを取ってみても、
『隣人は殺し屋』とシンプルに書くのではなく、あえて
『お隣さんが殺し屋さん』
って、“お”や“さん”をつけちゃうところが、普通のまともな(失礼!)ミステリーではない匂いがプンプンしてきますよね!
それもそのはず。
藤崎翔は、元お笑い芸人という異色の経歴なのです。
藤崎翔の経歴

藤崎翔は、高校卒業後お笑い芸人『セーフティ番頭』というコンビを結成するが、まったく売れず6年間でテレビ出演は一度きり。
ホームヘルパーの資格を取るも「面白いものを作ってお金を儲けたい」と、清掃員のアルバイトをしながら投稿を繰り返した末、やっと日の目を見たのだそうです。
息子から勧められたものの、正直、元お笑い芸人の小説か。。。と期待せず読み始めたたき子ですが、読みはじめてすぐにそんな先入観は間違いだったことに気づかされました。
しっかりした文体、破綻のない構成力、読み手を惹き付けるストーリー性、それらが軽妙でユーモラスな表現力とあいまって読者を飽きさせません。
ネタバレ要素含むので要注意
『お隣さんが殺し屋さん』は、専門学校入学のために田舎から上京した女子学生が、お隣の青年に好意を抱くがお隣さんは実は。。。というストーリーです。

ネタバレになるので内容については、これ以上は触れるべきではないのですが、もう少しだけ。
読んでみようかなと思ってる方はこの先は読まないでくださいね!
特にこの小説はネタが全て。
ネタがバレちゃったら何の面白味もなくなってしまうので。
。。。。
。。。。
。。。。
実は、ラストのどんでん返しは『イニシエーションラブ』に通ずるものがあるんですよね。
『イニシエーションラブ』は、乾くるみの小説で、ラスト数行によるの大どんでん返しが売りです。
数年前、くりぃむしちゅーの有田哲平がテレビで紹介して以来ベストセラーになり、松田翔太と前田敦子主演で映画化もされました。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)
もちろん、『お隣さんが殺し屋さん』と『イニシエーションラブ』は同じからくりではないのですが、同じ系統と言いましょうか。
ミステリー小説のからくりジャンル分けというものがあるなら(例えば被害者が犯人だとか、多重人格だとか、実は加害者はいないとか)同系列のどんでん返しなのです。
どんでん返しは唐突に
これ以上書くと本当のネタバレになってしまうので止めておきますが、勘の良い方はこのヒントだけで途中で気づいてしまうかもしれません。
ちなみに、ノーヒントで読んだ私は、からくりにまったく気づかなくて、まんまと作者の術中にハマってしまいました。
そういえば途中何ヵ所か違和感を感じたなあ。。。などと思っても後の祭。
どんでん返しは唐突にやってくるのですよね~。
読み返してみると、確かにそう読めなくもないかという箇所だらけで、時系列も辻褄が合ってます。
そんなの有り?って突っ込みたい部分もありますし、多少強引な感は否めませんが許容範囲。
なぜ全く疑わなかった、私!
悔し~い( ̄□ ̄;)!!
。。。と思わせる小説です。
「イニシエーションラブ」を読んでいない方は、特にどんでん返しが特に新鮮に映ると思われますので、よろしければぜひご一読を。
読んでいる方も、似てると言っても当然仕掛けは違うので、仕掛けに気づくか挑戦されるのも面白いかもしれません。

お隣さんが殺し屋さん (角川文庫)
横溝正史ミステリ大賞受賞作『神様の裏の顔』も面白い
藤崎翔の小説をもう一つ。
藤崎翔といえば、こちらの小説のほうが有名かもしれません。

『神様の裏の顔』
第34回横溝正史ミステリ大賞受賞作です。

『神様の裏の顔』も「お隣さんが殺し屋さん」同様面白かったのですが、こちらは結末の予測が多少ついていたので私にとっては予測不能な『お隣さんが殺し屋さん』のほうが面白かったですね~。

神様の裏の顔
どちらの小説も、心に刺さる名言も何もないので、単純に楽しみたいライトな読書にピッタリですよ~♪
おまけは先日のTHE和食な晩ご飯。

左手前↑↑は『はちく』で炊いた筍ご飯です。
筍が終わってもまだもう少し筍ご飯を食べられて幸せです♥
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【朝井リョウの直木賞作品『何者』を読んでミゾミソした】
【村田沙耶香の芥川作品『コンビニ人間』が問う“普通”】
【拝啓 有働由美子さま『ウドウロク』読みました】
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