三浦しをん『風が強く吹いている』は、箱根駅伝が舞台のクレイジーなファンタジー小説
世はマラソンブームだけど
こんにちは、たき子です。
私は長距離走が何より嫌いで、高校のマラソン大会の日はいつも「腹痛」や「風邪気味」のため元気に見学していました。
猛獣に追いかけられてるわけでも
飛行機に乗り遅れそうなわけでも
ないのに
わざわざ走る人の気がしれへん
しんどいやん
心臓止まりそうになるやん
血吐くかと思うぐらい
喉ヒリヒリするやん
およそ理解不能な世界です。
でも、世はマラソンブーム。
皇居ランナーの、あの人の数!
東京マラソンの抽選倍率が10倍?
最初聞いたとき耳を疑いました。
あんなにしんどい事を好き好んでやる人がこんなにいるなんて~!
かくいう我が息子も、ランニングから帰ってきてこんな事を言ったりすることがあります。
「走り出したらもっと走りたくなって大阪城回ってきた」
お前もか~!?
危険な小説『風が強く吹いている』
走るのが健康にいいのはわかってるけど、でも無理。
私がマラソンを始めるような事になれば世も末やわ。
…とまで思っていた筋金入りの長距離走嫌いの私でさえ、
ジョギング初めてみよかな…
なんて血迷いそうになった、そんなクレイジーな小説が、三浦しをんさんの
「風が強く吹いている」です。
「風が強く吹いている」は、箱根駅伝をめざす大学生の話です。
陸上バカの主人公だけでなく、およそスポ根には縁のなさそうな超インドア派のメンバーも、皆で箱根駅伝に向かって襷(たすき)をつなげてゆく様子が、丁寧に描かれています。
ああ~っ、もっと詳しい内容を書いてしまいたい。
でもネタバレはご法度ですよね…。
映画化もされている
三浦しをんさんの小説は、その多くが映画化されています。
直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」や、
林業を題材にした「神去なあなあ日常」が映画化されていたことは知っていましたが、この
「風が強く吹いている」も映画になっていたことを知ったのは、読み始めた後でした。
ハイジ役は…小出恵介。
あんな事件がなければイメージ通りと言いたいところだったんですけどね~。
小説は漫画と違って絵がないので、本好きでドラマ好きな私は、小説を読んでいるとき、ドラマ化されたときのキャスティングを考えながら読むのが癖なんです。
先入観を持ちたくなくて、読み終わるまで映画の情報は避けていました。
勝手に思い浮かぶ人物像
そんなふうに、人物像を思い描きながら小説を読むのが常なのですが、この小説『風が強く吹いている』は、意識的に思い描こうとしなくても自然に思い浮かんでしまいます。
顔の輪かく、シワの寄せかた、筋肉の形。
やがては頭の中の人物たちが勝手に笑う、歩く、躍動する。
人物描写の上手い作家は他にも数々いるけど、いや、もっと上手い人も多分たくさんいるけど、三浦しをんのように、いつの間にか人物が“すーっ”と入ってくる小説を書く人はなかなかいません。
気づけばいるんです。
ハイジが、走が、ニコちゃんが。
そこここに散りばめられた会話や文脈の中から、勝手にキャラがたってきて、三浦しをんの手玉にとられてしまう。
うまいわ~。
物語がするすると入ってくる。
でも、ありきたりではない三浦しをんだけの言葉。
現代のファンタジー
こんな友情あってほしい。
こんな奇跡おきてほしい。
ハリポタやアナユキには萌えられない私が、この三浦しをんのファンタジーには、萌えてしまいます。
スポ根で、男の友情で、そしてファンタジー。
それぞれの要素を笑いのエッセンスで軽やかにまとめあげる三浦しをんの筆力に脱帽!
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間近で見たい箱根駅伝
一瞬血迷いかけたけど、やはり一時の気の迷いで、きっと私がマラソンに手をだすことはないでしょう。
けど、今までは、
「正月早々山を走るなんてご苦労さんやなあ」
と思うぐらいで全然興味がなかった箱根駅伝。
今日の箱根駅伝往路は、コタツに入ってテレビにかじりついて観戦してしまいました。
往路の最後5区で、1位の東洋大学を追う2位の青山学院大学の竹石選手が一瞬止まって足を気にして叩く仕草が映ったりして、アクシデント!?かとドキドキ。
足が痙攣していたのかな?
5区は山登りですもんね(汗)。
リタイヤせず走りきれて良かった~。
【『箱根駅伝2018 無念!!わずか20mで“たすき”繋げず』の記事はこちら】
チャンスがあればお正月に箱根を訪れてこの目で箱根駅伝を見てみたい♪
【『箱根駅伝2019 東海大の初優勝!新記録もラッシュ』の記事はこちら】
やっぱりクレイジーな小説です。
お正月の箱根に泊まるなんて、いったい、いくらかかるのか、考えただけで恐ろしい!
正月早々、さっそく煩悩が芽生えた増えた年の始まりです。

【中古】 風が強く吹いている /三浦しをん【著】 【中古】afb

【中古】 風が強く吹いている /小出恵介,林遣都,中村優一,大森寿美男(監督、脚本),三浦しをん(原作),千住明(音楽) 【中古】afb
この他の読書感想はこちら
【朝井リョウの直木賞作品『何者』を読んでミゾミソした】
【村田沙耶香の芥川作品『コンビニ人間』が問う“普通”】
【拝啓 有働由美子さま『ウドウロク』読みました】
【『ユリゴコロ』イヤミスを超えた沼田まほかる渾身の傑作】
【テンション上がりすぎて寝かしつけむけではない?『うんちレストラン』】
【バカバカしさが炸裂!児童書『バカ昔話』】
【流転の海最終章『野の花』に自身の裏切りが重なる】
【二度読み必至のミステリー『お隣さんが殺し屋さん』】
こんにちは、たき子です。
私は長距離走が何より嫌いで、高校のマラソン大会の日はいつも「腹痛」や「風邪気味」のため元気に見学していました。
猛獣に追いかけられてるわけでも
飛行機に乗り遅れそうなわけでも
ないのに
わざわざ走る人の気がしれへん
しんどいやん
心臓止まりそうになるやん
血吐くかと思うぐらい
喉ヒリヒリするやん
およそ理解不能な世界です。
でも、世はマラソンブーム。
皇居ランナーの、あの人の数!
東京マラソンの抽選倍率が10倍?
最初聞いたとき耳を疑いました。
あんなにしんどい事を好き好んでやる人がこんなにいるなんて~!
かくいう我が息子も、ランニングから帰ってきてこんな事を言ったりすることがあります。
「走り出したらもっと走りたくなって大阪城回ってきた」
お前もか~!?
危険な小説『風が強く吹いている』
走るのが健康にいいのはわかってるけど、でも無理。
私がマラソンを始めるような事になれば世も末やわ。
…とまで思っていた筋金入りの長距離走嫌いの私でさえ、
ジョギング初めてみよかな…
なんて血迷いそうになった、そんなクレイジーな小説が、三浦しをんさんの
「風が強く吹いている」です。
「風が強く吹いている」は、箱根駅伝をめざす大学生の話です。
陸上バカの主人公だけでなく、およそスポ根には縁のなさそうな超インドア派のメンバーも、皆で箱根駅伝に向かって襷(たすき)をつなげてゆく様子が、丁寧に描かれています。
ああ~っ、もっと詳しい内容を書いてしまいたい。
でもネタバレはご法度ですよね…。
映画化もされている
三浦しをんさんの小説は、その多くが映画化されています。
直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」や、
林業を題材にした「神去なあなあ日常」が映画化されていたことは知っていましたが、この
「風が強く吹いている」も映画になっていたことを知ったのは、読み始めた後でした。
ハイジ役は…小出恵介。
あんな事件がなければイメージ通りと言いたいところだったんですけどね~。
小説は漫画と違って絵がないので、本好きでドラマ好きな私は、小説を読んでいるとき、ドラマ化されたときのキャスティングを考えながら読むのが癖なんです。
先入観を持ちたくなくて、読み終わるまで映画の情報は避けていました。
勝手に思い浮かぶ人物像
そんなふうに、人物像を思い描きながら小説を読むのが常なのですが、この小説『風が強く吹いている』は、意識的に思い描こうとしなくても自然に思い浮かんでしまいます。
顔の輪かく、シワの寄せかた、筋肉の形。
やがては頭の中の人物たちが勝手に笑う、歩く、躍動する。
人物描写の上手い作家は他にも数々いるけど、いや、もっと上手い人も多分たくさんいるけど、三浦しをんのように、いつの間にか人物が“すーっ”と入ってくる小説を書く人はなかなかいません。
気づけばいるんです。
ハイジが、走が、ニコちゃんが。
そこここに散りばめられた会話や文脈の中から、勝手にキャラがたってきて、三浦しをんの手玉にとられてしまう。
うまいわ~。
物語がするすると入ってくる。
でも、ありきたりではない三浦しをんだけの言葉。
現代のファンタジー
こんな友情あってほしい。
こんな奇跡おきてほしい。
ハリポタやアナユキには萌えられない私が、この三浦しをんのファンタジーには、萌えてしまいます。
スポ根で、男の友情で、そしてファンタジー。
それぞれの要素を笑いのエッセンスで軽やかにまとめあげる三浦しをんの筆力に脱帽!
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間近で見たい箱根駅伝
一瞬血迷いかけたけど、やはり一時の気の迷いで、きっと私がマラソンに手をだすことはないでしょう。
けど、今までは、
「正月早々山を走るなんてご苦労さんやなあ」
と思うぐらいで全然興味がなかった箱根駅伝。
今日の箱根駅伝往路は、コタツに入ってテレビにかじりついて観戦してしまいました。
往路の最後5区で、1位の東洋大学を追う2位の青山学院大学の竹石選手が一瞬止まって足を気にして叩く仕草が映ったりして、アクシデント!?かとドキドキ。
足が痙攣していたのかな?
5区は山登りですもんね(汗)。
リタイヤせず走りきれて良かった~。
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チャンスがあればお正月に箱根を訪れてこの目で箱根駅伝を見てみたい♪
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やっぱりクレイジーな小説です。
お正月の箱根に泊まるなんて、いったい、いくらかかるのか、考えただけで恐ろしい!
正月早々、さっそく煩悩が芽生えた増えた年の始まりです。

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【中古】 風が強く吹いている /小出恵介,林遣都,中村優一,大森寿美男(監督、脚本),三浦しをん(原作),千住明(音楽) 【中古】afb
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