おばちゃんDays

調理師たき子によるオオサカのおばちゃんブログ

海街Diaryでもお馴染み 初夏の梅仕事『梅酒』

梅の木のある家に住むのが夢
こんにちは、たき子です。

昨日、一昨日は初夏の山椒を使った記事を書かせてもらいました。

初夏シリーズ第2弾は梅仕事です。



私の愛読書である漫画『海街Diary(吉田秋生著)』では、毎年の梅仕事の様子が描かれています。

海街Diaryの中で、主人公である4姉妹は鎌倉にある古い家に住んでおり、庭にある梅の木に梅がたわわになるんです。
その庭で取れた梅を使って梅酒や梅の甘露煮を作り、それぞれのエピソードとなって物語に深みをもたらしています。

そんな重要なアイテムが梅の木なんです。

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梅の木のある庭って素敵ですよね。

思えば、生まれてこのかた、梅の木はおろか、庭のある家にすら住んだことがありません。
小さな庭と縁側のある、小さな平屋の家に住むのが夢です。

もちろん庭に植えるのは

できれば近くにがあり、朝市が行われている。

散歩のついでに地元の野菜や魚をつい買いすぎて、おもーい!とか言いながらに縁側に荷物をおろす…みたいな。

妄想しはじめるとどんどんエスカレートしてきました。

今のところ全くかないそうにない夢ですが、懲りずに妄想していれば、いつかひょんなことから実現するかもしれないし♪

梅の木のある家に住むのはいつのことになるやら、ですが、梅酒なら青梅が手に入りさえすれば作れます。

梅の木のある庭もなければ、4姉妹でもなく、海にも山にも近い鎌倉に住んでいるわけでもありませんが、今年も梅酒を仕込んで気分だけ海街してみようと思います。


レシピ『梅酒』



材料

 青梅   1kg
 氷砂糖  500g~1kg
 ホワイトリカー 1.8リットル
  (アルコール度数が35度以上のもの)



作り方

①容器はきれいに洗い、消毒する。
耐熱容器なら沸騰した湯をかけたり、煮沸消毒すればいいが、耐熱ではない場合、仕込み用のホワイトリカーを少量入れ全体に回しかけて捨て乾かしておく。
私は食品用アルコールスプレーを使いました。




②梅は傷つけないよう優しく洗う。



③キッチンペーパーなどで拭き、しっかり乾かしておく。



④梅が乾いたらつまようじでヘタを取る。



⑤容器に梅と氷砂糖を交互に入れる。



⑥ホワイトリカーを注ぐ。



仕込んだ日にちと材料を書いたラベルを貼っておくのがおすすめです。



あとは冷暗所に置き、氷砂糖が溶けるまでは時々瓶をゆすってあげます。
3ヶ月頃から飲めますよ~♪


ポイント

・梅は完全に乾かしてから仕込んで下さい。乾かし方が足りないとカビの原因になります。


砂糖も酒も好きにアレンジ
 自分だけの梅酒を探したい


上記は基本のレシピなので、お好みでどんどんアレンジできます。

ホワイトリカーではなく、ブランデーで梅ブランデーを作っても美味しいです。

どんのお酒を使うとしても、梅が完全にかぶる量のお酒を入れないとカビの原因になります。



行きつけの酒屋さんによると、梅酒は、本来はミリンで仕込むそうです。

そう言えばミリンの原料は焼酎ですものね。
ミリンだと砂糖はいらないのかな。

でも、ミリンはアルコール度数が14度前後。
梅酒作りにはアルコール度数35度以上を使うというのが定石なのですが、そこはどうクリアしたらいいんでしょうか?

今度聞いてみて、来年はミリンで作ってみよう♪

氷砂糖ではなく蜂蜜で作る方法もあります。
梅の割合ももっと増やしてもいいし。

いろいろ試してみたくなります。

今回、梅は南高梅を使用しています。
南紅梅なのでアク抜きは不要ですが、梅の種類によってしばらく水にさらしてアク抜きをしてから仕込むほうが良い場合もあるようです。

南高梅は皮が柔らかく、梅酒作りには向いていない(濁りやすい)という意見もあるようです。

私は大阪在住なので、南高梅の産地である和歌山に隣接しているからか、南紅梅をよく見かけるんです。
このため、何も考えず南高梅を使っていましたが、来年からは、手に入るなら2種類位の梅で作り比べてみたいな~。


新酒と長期熟成

これまで仕込んだ梅酒です。

 新しい←→古い

の順に並べてみました。

 

○一番左が、今回仕込んだ梅酒です。

○その隣が去年
1年で美味しそうな色に。

○真ん中は11年前
梅とホワイトリカーは同量。
氷砂糖は最初、梅の1/2弱の量にしていたけど、後から足しています。

○右から2番目は12年前
ブランデーと蜂蜜を使ったバージョン。
氷砂糖と蜂蜜をブレンドし、甘さ控えめにしていたようですが、1年後に梅と氷砂糖を追加しています。

○一番右は16年前の物です。
梅とホワイトリカー。氷砂糖は最初梅の重量の1/5でスタートしましたが、2度追加し、最終的には半量まで増やしました。


濁りかけても救済可能
 とりかえしがつく梅酒作り

私は、梅酒にカビは生えたことはありませんが、濁りかけてあわてたことがあります。

梅酒作り最初の年で、ずいぶん前なので詳しいいきさつは忘れましたが、砂糖は梅の量の1/5位でも作れると聞き、少な目にしていたんです。
甘さ控えめに作ろうとしてたけど、濁りかけてあわてました。

涼しい地域で、良い状態で保存できればいいけど、酷暑の大阪で都会のマンションでは、甘さ控えめの梅酒は乗り越えられなかったんでしょうか。

濁っても変な味がしなければ大丈夫。
防腐剤がわりの氷砂糖を足し、梅も取り出して瓶に詰め替えて冷蔵庫で長期保存中です(それが、上の写真の16年物)。

 ●容器を消毒する
 ●梅は乾いてから仕込む
 ●アルコール度数の高い酒を使う
 ●梅がかくれる量の酒を入れる

この4点を守れば、少なくともカビの心配はないと思います。
氷砂糖やアルコールはあとから足せます。
カビない限り取り返しがつくので、気軽にチャレンジできるんです。



仕込んだ日付と材料&分量のラベルを貼り、アルコールや砂糖を足した量も書き加えておくと、次の年参考になりますよ♪


梅の実を取り出すのはいつ?

梅の実を取り出すタイミングですが、これも色々な説があります。

3ヶ月ほどで取り出したほうがいいと言う人も入れば、入れっぱなしでいいと言う人も。

私は入れっぱなし派。
もう限界かな、と思うまで入れてあります。

ちょうど、長年放置していた写真まん中の11年物の梅酒の実が、限界みたいです。



ということで梅を取り出しました。



食べてみたけど、マズい

エキスが出てしまってスカスカの味。
しかも雑味の固まり。
食べられたものではありませんでした。
梅の実も美味しく食べようと思うならほどほどが良いようです。

梅酒は詰め替え冷蔵庫へ。
ラベルも貼りなおします。

 

でがらしの梅の実はマズかったけど梅酒極上の味。
澄んだ深い琥珀色です。


仕込みと年数でさまざまな味

最後に飲み比べ♥



左から去年の新酒(?)、11年物、12年物のブランデー&蜂蜜バージョン。

去年のは爽やかだけど味がキツいです。
市販の梅酒はこれぐらいかも。

11年物は、まったり感がイイ感じ。

12年物のブランデー&蜂蜜は11年物よりさらにトロッとした口当たりでした。

今年仕込んだ梅酒はいつ飲み頃になるのか楽しみです♪

梅酒作りは、ポイントさえおさえれば決して難しくないので、ぜひチャレンジしてみて下さいね~♪


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